今日、希望のタネを蒔きました

療育現場の所長日記です。

看板に偽りあり?

いろいろな研修がオンラインになってからしばらく経ちました。
初めは恐々で参加していましたが、回数をこなすにつれて、慣れてきた気がします。
ashikatan.hatenablog.com

しかし、回数を重ねると主催団体の性格?がよく見えてくるようになります。
参加する領域が「心理」か「発達」分野に限られているので、すべての研修がどうなのかはわかりませんが、残念だなあと思う研修運営も無きにしも非ず・・・。

特に感じるのはzoomへの対応です。
研修概要には必ず、zoom設定、途中でWi-Fiが途切れた場合の対応は自己責任であることが明記されています。確かに一人一人のオンライン設定を主催者が行うことは難しいかもしれませんが、いつも合理的配慮や手厚いサポートをうるさいほど主張する主催団体から、支援者に対してとはいえ、「できないのは自己責任。自分で何とかしてね。」という素っ気ないメールを送ってこられると、複雑な気持ちになるのです。

そんな中、珍しく丁寧な説明文を送ってくださる研修会がありました。さらに最後には、こんな文面も添えられています。上記と同じ内容でも、伝え方次第で随分と印象が変わるものですね。

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zoomの設定や使用はそれほど複雑ではありません。私でもこなせる所業ですので、ほとんどの方は手順さえわかれば、問題なく使えると思います。
しかし誰でも初めて使用するときや、予想外のこと(意外とあります)が起こったときは、どうしよう!という不安はあるはずです。そんなときにできることを前提として、できなかった場合は「自己責任です!」という姿勢は少し寂しい気持ちになるのは、私だけでしょうか。

ちなみにこの丁寧な説明文を送ってくださった主催団体の研修は、とても充実していました。もともと発達界隈では名の知れた団体ですが、看板に偽りなしだったなあと思います。

追伸
現在、発達支援の理論や場所が増えてきています。とても全部を見学することはできませんが、研修や勉強会が主催されている場合は、参加されることをおススメします。案外、いろいろなことが見えてくるかもしれません。

 

連休の予定

時に(1週間に5日ほど)、とても忙しくて、気持ちに余裕がもてない日があります。
そういう日は、顔が引きつっていると思うので、何人かの先生には「私の顔が怖くなったり、言葉がきつくなったりしてきたら教えてね。」とお願いしているのですが、なかなか言い出せないだろうなあと思う今日この頃。

こんな毎日ですが、私の周囲は優しい方が多いのが救いです。
面倒な案件に、泣きそうになりながら席に戻ると、季節限定のお菓子が置かれていたり、「これ食べてください!」と切ったケーキが届けられたり、手のひらにそっとチョコレートをのせてくれたり・・・。
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疲れているときの甘さは、煮詰まった考えを溶かす栄養剤です。
私も小さな心遣いを目指して、この連休は個包装のお菓子を買いに行こうと思います。

 

桃子ちゃんの話

おかしいよね!?
こんなの絶対、詐欺だよね(泣)!

大学2年生の桃子ちゃんは、いら立ちを隠せない様子です。
彼女の話を要約すると・・・。

高校を卒業するとき、桃子ちゃんはとある資格を目指して推薦入学でA大学に進学しました。募集要項には「〇〇資格取得に対応したプログラムを用意しています」と書かれており、将来、目指したい資格が取得できる大学ならば・・・と進路を決めたのです。 

ところが、入学して1年過ぎ、2年生になる時に「△△演習」という科目を履修できる学生の人数がわずか10名であることを知り、愕然としました。桃子ちゃんが目指す資格を取得するためには「△△演習」が必修です。もし履修できなければ、資格取得ができません。いろいろな人にも相談しましたが、よく見ると募集要項に「〇〇資格が取得できる」という記載はなかったとか。欄外に小さい文字で「△△演習は、履修希望者が多い場合は云々・・・とありましたが、当時の桃子ちゃんも、高校の進路担当の先生もそこまでは、見ていなかったそうです。結局、「△△演習」は履修希望者が多く、成績順に履修者が決定されたので、桃子ちゃんは履修選考に漏れ、〇〇資格を取得することができなくなってしまいました。

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昨今、世の中のいろいろな仕組みが複雑になったこともあり、情報提供には「スピード」と「わかりやすさ」が求められます。企業も学校もいろいろなことをできるだけ「図式化」し、ユーザーが一目で欲しい情報にアクセスできることに重きを置いているように思います。

しかしこれを逆手にとると、(悪意はなくても)あまり知らせたくない情報は下欄に小さく書くとか、周知の事項として省略できてしまう可能性?もありますので、やはり、与えられた情報を読み込み、理解し、疑問点を見つけて問いただす力は必要なのかもしれません。

またインターネットの普及により、多くの情報にアクセスすることも、可能になりました。その反面、かなりハテナがつく情報も流布されるようになり(この話については、後日・・・)ましたので、与えられた情報から、正しいものを取捨選択する力も必須です。

それらの力ををつけていくためには何が必要なのか?
桃子ちゃんの話を通して、そんなことを考えています。

詠み人知らず⑩

#10月31日
ハロウィン日 ツリーが出される店頭に
残ったかぼちゃ どこか哀しき

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#不安
いつの日か コロナが去ったら何残る?
一寸先も 見えない未来

#祈り
夕暮れの 空に広がれ茜雲
涙も痛みも覆い隠して 

#返事
あのときは どんな言葉も届かない
今なら解けるよ キミのパズルを

 

 

詠み人知らず⑨

#今となっては
あと少し 早く知れたら変わってた?
庭のコスモス 無言の微笑(ほほえみ) 

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#ホンネとタテマエ
生きるため 好きや嫌いは二の次と
言い切る横顔 秘めたる決意

#断捨離前に
それいるか? これもいるとは思えない
まずは買わない 溜めず増やさず 

#期間限定のお菓子

春を知る 苺に抹茶さくら味
栗いもかぼちゃで 秋を感じる

#10年
そのままで いてくださいね先生は  
あの日のメール ふと思い出す

 

 

 

 

写真

あるお母さまのお話です。
そのご家庭は、母と子ども2人の3人家族。

子どもたちは、保育園に通っているので、運動会やお遊戯会などの行事では随分とご苦労されることもあるようです。

その中でも大変なのは、行事の際に観覧する座席の確保
毎年、うちの幼稚園でも、一番職員が気を使い、また保護者の意見が多い事項ですが、どの保護者も子どものベストショットを撮るために、朝、早くから席取りに勤しまれます。

ところがそのお母さまは、子育てを手伝ってもらえる祖父母も近くにいないため、子どもたちに準備をさせて、参加させるだけで精一杯。とても写真撮影の場所取りのために早くから並ぶということはできませんでした。

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ある運動会の日。
上のお子さんは、今年が保育園最後の運動会になります。せめてその姿をカメラに収めようと思いましたが、ゴール付近は多くの保護者でざわめいています。
よく見ると、夫婦でスタートとゴールに分かれてカメラを構えている家庭もあり、そのお母さまは、迷いました。
うちは保護者が一人しかいないから、どちらか一つしか選べない。子どもが大きくなって写真を見返すときに、どちらのシーンを見せてあげたいか・・・。

そのお母さまは、第3コーナー付近を選ばれたそうです。
最初の意気込みでも、最後の結果でもなく、その途中でどれだけ子どもががんばっていたのか、いつか子どもが大きくなった時、それを見せてあげたいと思った、とおっしゃっていました。

写真には、撮る人の人生観や価値観が端的に表われているような気がします。

 

 

気持ちの隙間

帰宅時間を早めてみると・・・。

・園庭に咲く秋の朝顔がはっきり見えた。
・時間がたっぷりあるので、帰ってからのスケジュールを綿密に考えなくてもよい。
・スーパーの駐車場が混雑していない。
・野菜もお肉も、よい品が山積みになっている。
・新発売や季節限定のお菓子をゆっくり散策できる などなど。

私は期限のあるものが残っていると落ち着かないので、締め切りの3日前には、終わらせることが信条です。
しかし、ある日、そうやって確保した時間に、別の仕事が入ってくるというサイクルに気づいてしまいました。

そこで、ここ最近は、時間にも気持ちにも「隙間」をつくるようにしています。
キューピーコーワゴールドやサプリメントよりも、この「隙間」が何より、心身の健康を回復させてくれるように感じる今日この頃です。

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