今日、希望のタネを蒔きました

療育現場の所長日記です。

写真

あるお母さまのお話です。
そのご家庭は、母と子ども2人の3人家族。

子どもたちは、保育園に通っているので、運動会やお遊戯会などの行事では随分とご苦労されることもあるようです。

その中でも大変なのは、行事の際に観覧する座席の確保
毎年、うちの幼稚園でも、一番職員が気を使い、また保護者の意見が多い事項ですが、どの保護者も子どものベストショットを撮るために、朝、早くから席取りに勤しまれます。

ところがそのお母さまは、子育てを手伝ってもらえる祖父母も近くにいないため、子どもたちに準備をさせて、参加させるだけで精一杯。とても写真撮影の場所取りのために早くから並ぶということはできませんでした。

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ある運動会の日。
上のお子さんは、今年が保育園最後の運動会になります。せめてその姿をカメラに収めようと思いましたが、ゴール付近は多くの保護者でざわめいています。
よく見ると、夫婦でスタートとゴールに分かれてカメラを構えている家庭もあり、そのお母さまは、迷いました。
うちは保護者が一人しかいないから、どちらか一つしか選べない。子どもが大きくなって写真を見返すときに、どちらのシーンを見せてあげたいか・・・。

そのお母さまは、第3コーナー付近を選ばれたそうです。
最初の意気込みでも、最後の結果でもなく、その途中でどれだけ子どもががんばっていたのか、いつか子どもが大きくなった時、それを見せてあげたいと思った、とおっしゃっていました。

写真には、撮る人の人生観や価値観が端的に表われているような気がします。