もう10年ほど前の話です。
当時、小学生の娘を連れて「きな子〜見習い警察犬の物語〜」を見に行きました。
何年も連続で警察犬の採用試験に落ちつつ、挑戦する姿と愛嬌のあるしぐさが話題となり、人気者になったきな子。
物語とはいえ、その健気な姿はかわいかった記憶があります。
映画を見た帰り、車の中で娘がふとこう言ったのです。
「ママ、どうしてきな子は警察犬じゃないとだめなの?」
一瞬、意味がわからず、ポカンとする私に彼女は再度、問いかけます。
「昨日、テレビできな子との撮影会、やってた。その前もどこかに招待されてみんなにかわいい!って手を振られてたし、普通の警察犬よりずっと目立ってる。もしかしたら、警察犬よりモデル犬として生きた方が、幸せかもしれない。」
なんと答えればよいのかわからない私に、とどめの一言。
「あっ、そうか!きな子の意思はともかく、周りはあの子を警察犬にしたいんだね。じゃあ仕方ない、〇〇〇(娘の名)とおんなじだ~」
世界情勢も不安定な昨今、明日のことなんかわからないのだからと、もっとおおらかな子育てができたのか、それとも生き抜くためには~が必要!と躍起になった子育てをしたのか。
なぜかこんな一コマを思い出した休日です。