今日、希望のタネを蒔きました

療育現場の所長日記です。

ある雨の日、空の上にて・・・

私は乗り物全般(車、電車、船、バスなどなど)移動が苦手です。
特に飛行機は大の苦手で、利用する時は万全の体制で臨むことは、以前の記事に書いたとおりです。

ashikatan.hatenablog.com

ところがまた先日、飛行機に乗る機会がありました。
生憎、その日は大雨。
おまけに搭乗手続き中から、天候不良のため羽田に引き返す可能性があるだの、揺れが予想されるので飲み物サービスはできないだの、恐怖心をあおるアナウンスが続きます。
しかし翌日の予定を考えると乗らないという選択肢はなく、勇気を出して乗り込みましたが、窓をたたきつけるような雨が続き、生きた心地がしませんでした。

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それからしばらくすると、機長からのアナウンスが聞こえてきます。
「当飛行機をご利用のみなさま、本日は〇〇〇をご利用いただき、まことにありがとうございます。私は機長の△△で・・・」というおきまりのあいさつ、いつもはここで終わるのですが、その日はまだ続きがありました。

「本日は生憎の天候で機体に揺れが生じており、ご搭乗のお客様には、大変、ご迷惑をおかけしております。時折、強い揺れもありますが、運航に支障はございません。当機は、ただいま××上空を飛行しており、あと15分ほどで着陸態勢に入る予定です。できるだけ揺れのない飛行を心がけますので今しばらくご辛抱ください。何かございましたら、お気軽にお近くの係員にお声がけください。

人は「予測がつかないこと」を不安に感じます。
特に体験したことがない状況においては「これからどうなるんだろう・・・」という気持ちと同時に、ネガティブな感情がわいてきて、よくないことばかり考えてしまいます。
そんな時のあの機長のアナウンスは、とても心強く響きました。

だいじょうぶですよ、今は×××の状況ですが、だいたいこれくらいの時間で△△の状態になりますよ、(不安な時間に対して)できるだけお手伝いします、何かあればお気軽にお声がけくださいね…

この短いフライトで、相手を不安にさせない配慮、現状、途中経過、見通しをアセスメントし、丁寧に伝えていく姿勢を見せていただきました。あの機長さんがもし心理職だったら、素敵な支援ができるんだろうなあ…。