今日、希望のタネを蒔きました

療育現場の所長日記です。

目と目で通じ合う?

新年度が始まり、ひと月が経とうとしております。
新しい職場、学校、幼稚園や保育園の生活に慣れてくるとともに、少々の疲れが出てくる時期ではないでしょうか。

今日は私事を少し・・・。
3月末から4月にかけてバタバタするのは毎度のことですが、この4月はめずらしく体調を崩し、何とか職場には立てるのですが、咳込みがひどく、発作が起こるとしばらく治まらない日が続いております。

先日もある親子の集まりで、歌あそびをしていたのですが、その最中にこの発作がやってきました。大勢の前で中断するわけにいかず、思わず、後ろで伴奏してくれていた先生に視線を送ってみると・・・。
天の救い!すぐに交代して私の続きを引き取ってもらえました。
何気なくピアノに向かう私は、そこまで不自然ではなかったはず・・・?

今日も長時間話す場面がありました。あと少し、あと少し・・・と励ましながら、文書の読み上げをしましたが、やはり途中でダウン。またそっと隣の先生に視線を送ると、何も言わずにマイクを引き取っていただき、事なきを得ました。

困ったときの「手助け」は本当に身に沁みます。
私自身は、周囲の人の「視線」をどれだけ拾うことができているのか、あらためて問い直す雨の夜です。

追伸
先日、ある学校の入学式に出席させていただきました。
これからの生活に幸多かれと心より、お祈りしております。

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100歳を目前にした祖母が言うには…

拝啓

桜の花が咲き始める季節になりました。先日はお手紙をいただき、ありがとうございました。4月からは新天地で暮らされるとのこと、寂しく思う反面、その中でいろいろな体験ができるのではという期待に似た想いもあり、まずは心からのエールを贈りたいと思います。

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お手紙の中で、ご自分の思うような進路がとれずに葛藤したこと、決して望んだ未来に進むわけではないということを書かれていましたね。努力が実らず、やりきれない思いをされたことも知りました。時勢とはいえ、悔しい気持ちでいっぱいだったことと思います。そのことに関しては、かける言葉も見つかりません。

ただ「これで自分の未来は決まった」という一言には、疑問が残ります。私の粗末な人生経験においても、ひとつのライフイベントくらいで決まるほど、人生は単純ではないことをいくつも見聞きし、経験してきました。

先日もお子さまの進路に悩まれるお母様にその話をしたところで、受験や就職など、そのときはうまくいったかに思えても、そうではないことが、多々あります。現に偏差値はその後の人生を保証しませんし、一流企業に就職しても、社会の不条理に絶望し、自ら命を絶つ方もいらっしゃいます。

私の祖母が戦争時代の悲惨な状況をくぐり抜けた体験から、いつも言う言葉があります。「人生には裏表がある。表が出ても油断するな、裏が出ても悲観するな」もし今が裏ならば、いつか表の面が出る日が来る…。100歳を目前にした人が言うのだから、あながち間違いではないかもと思う毎日です。

まだまだ書きたいことはありますが、一旦、筆を置きます。桜の花が散る頃に、またお便りしますね。季節柄、十分、ご自愛ください。 敬具

 

大きくなったね

今日は久しぶりに年長の子どもたちと、給食を食べました。

入園した直後、慣れない幼稚園で家庭の味付けとは異なる給食に四苦八苦していた子や、あれイヤ、これキライと涙目になる子もたくさんいました。「ひと口、がんばろう」と見えないくらいに切り分け、口に運んで食べさせていたことが、昨日のことのように思い出されます。

でも…みんな大きく成長しました。もう半月経ったら、いよいよ卒園の時を迎えます。

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決して平穏ではない海路への船出ですが、前を向いて進む子どもたちに、心からエールを送りたいと思います。

 

 

とある国家試験

うつ病患者への対応で、不適切なものを選びなさい(とある国家試験の改編より)。

①休息を勧める。

②励ましの言葉は避ける。

③医師に処方された薬の服薬について、説明する。

④重要なことは、迅速に決めることができるように、必要な助言をする。

⑤普段より口数が少なくても、無理に会話を引き出すことは控え、本人のペースを尊重する。

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解答④

うつ病まではいかなくても、心が疲れているときの「重要な決定」は禁忌です。逆に言えば、心の疲れが「ここから抜け出したい!」という焦りを生み出すのかもしれません。

おかあさん

保育士不足が叫ばれる昨今、保育士資格を取得する方法は2種類あります。

一番、ポピュラーなのは、保育士資格が取得できる大学、短大、専門学校などの養成校に入学し、規定の単位を取得して資格を得る方法。

もう一つは、独学で勉強し、保育士国家試験に合格するという方法です。受験資格が定められており、科目数が多く実技試験があるなど、少々面倒な試験ですが、うまくいけば受験料だけで国家資格が得られますので、見方によってはお得な制度かもしれません。

さて、今年の保育士実技試験で「弾き歌い」を選択した場合の課題曲は「おかあさん」と「アイアイ」だそうです。
どちらも保育士養成校ではよく課題に使われていますが、「おかあさん」にいたっては、保育園や幼稚園では歌わせていない園も多いので、少し意外な気がしました。

おかあさん なあに
おかあさんて いい におい
せんたく していた においでしょ
しゃぼんの あわの においでしょ

おかあさん なあに
おかあさんて いい におい
おりょうり していた においでしょ
たまごやきの においでしょ
 作詞:田中 ナナ / 作曲:中田喜直

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お父さんがいてお母さんがいて、子どもが2人。
お父さんが働いてお母さんは家庭で洗濯や食事作りをする・・・といった形を「標準世帯」と呼んでいた時代もありましたが、今は時代の変化に伴い、家族の形や役割も変化しています。
また、保育士の職場は保育園だけではありません。保護者の代わりに子どもを養育する児童福祉施設も、保育士の配置が規定されています。

この曲は、音程やリズムが取りにくい鬼門曲(個人的感想)です。おそらくそのあたりの技術を見るための選曲で、「母親はこうあるべき論」の押し付けではないと信じていますが・・・。

保育士を目指す皆様には、「おかあさん」の曲にある「母親像」にとらわれずいろいろな家庭があり、子どもたちがいることに目を向けていただけたら幸いです。