今日、希望のタネを蒔きました

療育現場の所長日記です。

「慣れ」と「それなり」の大切さ

先日、幼稚園関係の全国大会に出席してきました。

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大会の内容は別の機会に譲りますが、辺りを見渡すと、名刺を配り歩いて情報収集し、人脈を広げようとする人、知り合いを見つけて話し込む人、黙々とスマホ操作にいそしむ人、などなど・・・。

このような場面を見ると、初めての場所は苦手、大勢の中で自分の立ち位置を見つけることができない!と言っていたAちゃんのことを思い出します。
彼女はまじめで賢い子なのですが、新しい人間関係を築くことが苦手です。長いときは4月にクラス替えをして、話せる人ができたのが3月という時もありました。新しい環境に置かれるたび、不眠や頭痛、動悸を訴えるということがここ何年か続いています。

それぞれの人がもつ「特性」を変えることはなかなかできません。私自身、この手の会につきもののグループワークは大の苦手です。~についての話し合いも嫌いですし、手遊びなど実技系の課題になると一気にブルー。
特に大半の保育関係者が醸し出す雰囲気(明るく、元気よく、人見知りしない)を残念ながら私は持ち合わせておらず、何年たってもなじむことができません。そうは言いつつも何回もその場面に置かれるにつれて、慣れてきたのか「それなりに」過ごすことができるようにはなってきました。ちなみに心理学ではこの現象(ある刺激がくり返されることによって、その刺激に対する反応が消えていくこと)を「馴化」と呼びます。

Aちゃんへ
特別な努力はいりません。ただ、与えられた苦手な場面から逃げないこと・・・これが、馴化」の条件です。

素材を生かした調理法

先日、外食したときのこと…

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メインデッシュはエビを使った魚料理でした。
ふわっとしたとろける触感と風味がおいしかったです。

シェフ曰く、料理の神髄はそれぞれの素材を生かすことにあるそうです。
そう言われるとこの料理は、エビだからこそ生きる触感なのかもしれません。
仮に牛肉や野菜だったら、別の調理法の方がおいしくいただける可能性があります。

今日はそんなことを考えながら、保育学生たちの期末テストを採点しています。
彼らがそれぞれの素材(持ち味)を生かせる職業選択ができますように・・・。

ひまわりの気持ち

ひまわりは、笑顔、明るさ、前向きの象徴花に見えます。そんなひまわりがめずらしく下を向き、寂しそうに一輪だけ生けられていると、なぜかほっとしました。

世の中には、笑顔、明るさ、前向きさの大切さを説く方々がいらっしゃいます。しかし、生きていると笑えない日、笑顔になれない日の方が多い気がするのですが…。

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 「おもしろないのに、笑え言われても、それはでけんわのー。
これはどんな時も常に笑顔を絶やさなかった亡き祖父の言葉です。

笑えなくても、暗くても、後ろ向きでも大丈夫。
そんな日も…あるのです。

コイン洗車に思う

猛暑が続く今日この頃。
日夜、熱中症関連のニュースが取り上げられています。

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 昨日、コイン洗車に行きました。車内は冷えていませんでしたが、数分ならば大丈夫だろうと、乗車したまま窓を閉めエンジンを切りました。

ところが…

1分もしない間に息が苦しくなり、酸欠状態
もちろん途中で車外に出ることもできず、頭が痛くなり、心臓がばくばくし始めます。
明日は教育相談あったかなあ…途中までしか完成していない書類は…と考え、体がふぁーっとした感覚に包まれた瞬間、ようやく洗車終了のランプが点灯しました。

乳幼児が車に残され、熱中症で亡くなる事件が多発しています。残された子が何を思うのかはわかりませんが、身体的なの苦しさが相当なものだったことは確かです。

ちょっとだけ・・・その判断は命とりになります!

ゴールド免許

ある森に住むリスさんは、出不精で運転が苦手。となると、そもそも車に乗る機会が少ないので、ずっとゴールド免許の所持者でした。ある日、ふとしたミスがあり「更新されたばかりの免許証ですので、今から5年はゴールドのままですが、次回更新したときはブルー免許になります」と宣告されてしまいました。
リスさんは罰金よりも、今の免許証が5年後にブルーになり、そこから5年はそのままであることに呆然とし、隣の森に住むシカさんに聞いてもらうことにしました。

それを聞いたシカさんは「そんなことくらいで済んでよかったわよ!大きな事故じゃあるまいし、免許の色なんか二の次よ!

うーん・・・。
今度リスさんは、隣の隣の森に住むくまさんに聞いてもらうことにしました。
くまさんは「それは災難でしたね。まあこれでリスさんの厄が落ちたと思えば、ラッキーですよ。」と答えました。

なるほどね・・・。
今度リスさんは、海の向こうに住むカエルさんに聞いてもらうことにしました。
でもね、カエルさんはきっと笑いながら、こう言うでしょう。
あんた、そもそも5年後・・・つまり、今の免許がブルーになるまで生きてるの!?」
また、続けてきっとこうも言うでしょう。
「こんだけ地震や自然災害が多くて、ミサイルやテロがどうのこうのと騒がれている最中に、もし5年後も無事に免許更新できたら、それだけで奇跡だね(笑)

そう、「未来に予測されるイヤなこと」が起こる前に寿命が尽きないとも限りません。遠くのことを考えすぎないことがカエルさんの生きる知恵のようです。

[無料イラスト] 運転免許証の裏表

 

あじさいの花ことば

ある控え室に飾られていた一輪のあじさい。

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あじさいは良くも悪くもたくさんの花ことばをもっています。
有名なところでは、色が変化することから名付けられた「移り気」
しかしあじさいの色は、白色 ⇒ 水色⇒ 青 ⇒ 紫系の青 ⇒ 紫と変わっていくそうで、その過程を楽しむこともあじさいを鑑賞する醍醐味だと聞いたことがあります。

変わることは「移り気」なのか、それとも「変化」なのか・・・。
そんなことを考える6月最後の日でした。

 

 

Aちゃんの願い

Aちゃんの最近の口癖は「死にたい!」です。

それを聞いたBちゃんは・・・
「何て贅沢な!そんなこと言ったら罰が当たるよ!幼い子どもを残して、すごく生きたいのに死ななければならない人もいるのに!」
と、最近亡くなった芸能人を引き合いに出し、Aちゃんを叱ります。
いたたまれなくなったAちゃんは、ますます「死にたい!」を繰り返し、泣き出してしまいました。

ところでAちゃんは本当に、「心臓が止まり、火葬されて灰になる」ことを望んでいるのでしょうか?詳しい事情は省きますが、どうも周囲の友達と比べて楽しいと感じられることがない、このまま、起きて食べて寝るといったサイクルが続くことに恐怖を感じる・・・というのがその理由のようです。

「死にたい」は時として「生きるのがしんどい⇒先行きの見えない不安⇒生きていたくない」という言葉の同意義で使われることがあります。
表面的な言葉に惑わされることなく、言葉の背景を冷静に想像することが必要なのかもしれません。

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