今日、希望のタネを蒔きました

療育現場の所長日記です。

煮込み料理の季節です②

この季節においしいのは、ロールキャベツ。

f:id:ashikatan:20161128171149j:image

お肉と野菜が同時に食べられて、見た目も豪華なレシピ…ですが、欠点はその手間。キャベツを1枚ずつはがし、一つずつ包むというプロセスを考えたら、つい億劫になってしまいます。

そんな時に朗報!巻かずに作れる丸ごとロールキャベツのレシピを見つけたので、作ってみることにしました。

 

まずは、キャベツの芯を抜く…⁉︎⁉︎⁉︎

包丁を入れて少しずつ…⁉︎⁉︎⁉︎

そもそもキャベツは、りんごみたいな芯抜き道具がないし、大きくて堅い。また中に具を入れるとなると相当、大きなくぼみが必要です。四苦八苦、包丁、ナイフ、フォークを駆使し、何度も手を切りそうになりながら、くりぬきました。

f:id:ashikatan:20161128165849j:image

次に中身を詰めて…

f:id:ashikatan:20161128165916j:image

鍋に投入!

f:id:ashikatan:20161128165945j:image

あとは煮込むだけですが、ここまできて考えたこと…。

このプロセスは普段のロールキャベツ工程と比較して、本当に簡単だったのか?

こんな大きいものをきれいに取り出して、盛り付けすることはできるのか?

何よりうまく味つけできるのか?

 

悩んでいた時やどうしようかなあと考えていた時に出会った朗報には、魅力があります。こうしたらうまくいったよ、という話にを聞くと、わらをも掴む思いで、すがろうとする時があるかもしれません。

ただ、うまくいったのはその人の場合であり、自分の課題解決になるかどうかは別の話です。情報共有やよいと思ったことに挑戦することは大切ですが、必ずしも望みどおりの結果にならない場合があることも、心に留めておく必要がありそうです。

 

ちなみに今回のロールキャベツですが、次回も同じ方法で作るかどうか? 

…要検討ですね。

 

♡愛のホワイトチョコパイ♡

朝…

目的がある休日は早く起きる。「じゃあ日曜日の9時半ちょっと前に」と、先日、別れ際にした約束を思い出す。そうだ、せっかくだから、新しいバッグを持って行こう!がさごそと荷物を入れ替えるとウキウキしてきた。

 

しばらくして…

お迎えを待っていると、◯◯にいます、着いたらLINEしますという連絡。自分にはないマメさに感心(´∀`)!

ほどなく車が到着。わざわざありがとう!…とお礼を言いつつ、助手席に乗り込む。ドライブには生憎のお天気。でもお互いが共通の目的に期待を抱いて出かけるということは、うれしい。

 

時間は流れ…

目的地に着く。いつもさりげない気配りをしてくれることを見習い、今日はチョコレートを持ってくるつもりが、玄関に忘れてきた(泣)。開演まで時間があるので、仕方なく私は人間ウォッチング。いろいろな人たちが醸し出す雰囲気はさまざま…。ふたりでいても、微妙な雰囲気の方々もいる。キョロキョロしながらとなりを見ると、活字を追う姿が…。こんなところに知性を感じる。

 

また時は流れ…

お昼になった。せっかくのランチタイムだが、混み合うことを予測してマックに行った。覚えられるくらいしかないメニューを眺め、慎重に吟味する。デザートに食べようかと話していたホワイトチョコパイを半分こ。これは親密さの証し⁉︎

f:id:ashikatan:20161127184935j:image

 

またまた時は流れ…

人生にはいろいろある。いろいろな人間がいて、生活する環境も異なる。同じ問題にぶつかっても、描くイメージや解決方法は違う。そんなことを考えさせられた午後。

少なくとも一緒に考え、意見を出し合える人に巡り会えた私は、幸せだなあと感じた。

 

もう帰り⁉︎

 午後の時間もあっと言う間に過ぎていく。充実した時もそろそろ終盤。朝と同じく、家の前まで送ってもらい、笑顔で手を振る。

くまこ先生、お疲れ様でした(⌒▽⌒)!

f:id:ashikatan:20161127185611j:image

悩みながらできること

よく考えてみます…

検討してみます…

 

こんな答えの後で、誰かに相談してみることは大切です。けれども、最後の答えは自分で出さなければならない時があります。そんなときは、頭と一緒に手を動かすことで、煮詰まりを防ぎ、客観的に考えるきっかけができるかもしれません。

クリスマスが近いこの季節、身近な素材でプレゼントボックスを作ってみませんか?

f:id:ashikatan:20161123213740j:image

箱作りは簡単に見えていろいろなことを教えてくれます。まず、一つひとつのプロセスを丁寧にこなすこと、間違えに気づいたらすぐにやり直すこと、組み合わせの瞬間も手を抜かないこと…などなど。もしプロセスが正しければ、誰が折っても素敵な立体が出来上がります。

f:id:ashikatan:20161123212810j:image

箱作りのプロセスは、何かに似ているのです。

 

煮込み料理の季節です

数年前、Facebookでこんな記事を見つけました。

f:id:ashikatan:20161119122420j:image

「いいね」の数が多く、感動しました!とか、よい作物を実らせるためにがんばります…と言ったコメントが多かったことを記憶しています。

しかし、悪い作物を実らせようと思ってタネを蒔く人はいません。その時々で一番の選択や行動をしても、それが正しいか否かは、時間が経たないとわからないことも多い気がします。

ちなみにひねくれ者の私が書いたコメントは…

どんな作物ができたって、まとめて煮込んで食べてやる!

意外やそのコメントへの反響があり、驚いたことを覚えています。

 

正しい選択をすることは大切です。でもそれと同時に、その結果を受け止める強さも必要なのではないか…そんなことを感じる雨上がりの午後です。

 

いづこも同じ…

寂しさに 宿を立ち出でて 眺むれば
いづこも同じ 秋の夕暮れ

f:id:ashikatan:20161115211556p:image
心疲れた日、いろいろなことを考えていると、
百人一首の中にある良暹法師のこの和歌を思い出すことがあります。

「あまりのさびしさに耐えかねて、家を出て、あたりを眺めてみると どこも同じように、さびしい秋の夕暮れだなあ・・・・」
という意味の句です。

この問題さえなくなれば・・・
あの人さえわかってくれたら・・・
〇〇にさえ行けたら・・・
など、桃源郷を夢見るのは人間の常です。でも案外、どこに行こうとも同じような悩みはあり、変わらない日常が続いているのかもしれません。

 

明日はステキな笑顔に逢えますように。

ドーナツはいかがですか? 〜手作り教材〜

療育で使う教具は、市販のものもありますが、子どもたちの課題は個々で異なりますので、手作りすることがあります。

先日、100円ショップで見つけた「ドーナツバランスゲーム」。ドーナツが崩れないように台に乗せていくという、単純なものですが、珍しく、いいことを思いついたので3セット購入しました。まずは、準備…。f:id:ashikatan:20161103211156j:image

8種類のドーナツを正しい位置に入れたり、カードの上に並べて数対応をしたり、お友達とお店やさんごっこをしたりもできます。

300円のおもちゃも少し手を加えると、視覚認知、微細運動、集中力、数対応、視覚や聴覚の情報処理、社会スキルなどの課題に対応する教具に変身するのです。

f:id:ashikatan:20161103212131j:image

 興味のある方は、ぜひ見学に来てくださいね。

 

 

秋の夜長に思うこと② 〜「障害」は「個性」!?〜

「皆さま、この飛行機はまもなく東京国際空港羽田に着陸いたします。シートベルトを今一度・・・」

f:id:ashikatan:20161022164022j:plain

何度、このアナウンスを聞いたかなあと思いつつ、ようやく目を開けます。
飛行機が苦手な私にとって1時間のフライトは苦行以外の何物でもなく、ましてや気流の関係で揺れた日には顔面蒼白・・・。

 出張が続く時期はさすがに辛く、かかりつけ医に相談したこともありました。私についた病名は「加速度病」。単なる乗り物酔いですが、医師曰く、乗り物に酔う人は、生まれつき三半規管が弱く揺れに対するバランスがとりにくい特性をもつので、根本的な治療法はない、酔い止めを飲む、新幹線など他の乗り物を利用する、周囲の理解が得られるなら、出張は誰かに代わってもらうなど、自分なりに工夫してみてくださいとのことでした。
生まれつきの特性、治療法なし、環境調整、周囲の理解、自分なりの工夫・・・、私が飛行機に乗るために必要な対応策は、発達障害の人が生活しやすくするための対応策と全く同じのようです。

障害は「個性」という意見があります。もちろん、人間にそれぞれ個性があることは事実ですが、残念ながらひとり一人の「個性」に合わせてくれるほど、現代社会は優しくありません。
例えば幼稚園は法律上、1学級1担任(場合により副担任を置く)、園児数は1学級35人以下となっています。実際は園の采配で、1クラスの人数は20名前後のことが多いのですが、国の基準では35人までであれば、担任は1人でもよいということになっています。
そのため、その中で生活する子どもには、一定の時間は指定された場所で過ごす、担任の指示に従える、言葉で友達とコミュニケーションをとれるなど、ある程度の社会的スキルが求められます(平岩幹男)。

そのような子どもを理解し、受け入れる社会づくりは大切です。しかし、酔うから揺らすなという要望をJ◯LやAN◯に申し入れても、実現するまでは長い時間がかかるのと同様に、社会はすぐには変われません。

だからこそ、支援センターでは、子どものもつ特性(多動、衝動性、不注意、社会的スキルの不足など)を受けとめつつ、それが生活上の「障害」にならないように、日々、療育支援を続けています。

 

ちなみに私も今では、長年の経験から、「加速度病」の苦痛から逃れるために必要なことは、あらゆるもの(耳栓、アイマスク、薬、ひざかけ、などなど)を駆使して、視覚と聴覚の遮断する、背もたれから離れて揺れの感覚を遮る、睡眠状態を保つということがコツだと知りました。それでも、フライト前には祈ります。

お願い、どうか揺れないで!