今日、希望のタネを蒔きました

療育現場の所長日記です。

◯◯は見た目が100パーセント!?

世の中には、いろいろな考え方や価値観があります。人それぞれ、こだわりをもつ部分も異なります。マイカー、マイホーム、結婚、進学などなど、自分なりにこだわっていても、周囲の人はそれほど興味・関心をもっていないということもよくあります。

以前からWi-Fiルーターのぐちゃぐちゃ配線が気になっていました。
調べてみると、通信販売では収納ボックスがたくさん売られていたのですが、サイズが合わなかったので、量販店にも行ってみました。しかしそこでは・・・。
収納ケースを使うと密封されて電波が届きにくい、熱がこもる」とのことで、そもそもルーターとはこんなもの、見かけの良さよりは機能を重視してくださいといった意味のことを言われ、解決にはいたりません。

そうは言われても、見れば見るほど気になります。ないならば作るしかない!と思い立ち、密封せずに見栄え良く、さらに排熱できるルーターボックスを作ってみました。

f:id:ashikatan:20170529004603j:image

3枚のミニすのこに釘を打ち、背面と側面をフリーにしたことで、コンセントにもかからず、排熱機能もバッチリです。上部はインテリア飾りを置くことも可能!
私的には大満足なのですが、周囲の反応は意外と冷たく「これ、意味ある?」という声も聞こえる今日この頃。

やはり世の中には、「理解されないこだわり」があるようです。

当たり前が当たり前でなくなるとき

昨日のニュースで話題もちきりだったのは、あるスナック菓子の一部地域販売終了のお知らせでした。
このお菓子は発売から約50年の歴史をもつヒット商品ですが、近年、売り上げは全盛期の3分の1まで落ちており、製菓会社も苦渋の決断だったとのことです。
売り上げが落ちている割には、テロや政治家の汚職疑惑を押しのけるほどの反応を集めていて、そのアンバランスさを興味深く見ていました。

普段は意識しないが、そこにあることが当たり前」が位置づけと思われるこのお菓子。世の中にはこれとよく似たものがたくさんある気がします。

f:id:ashikatan:20170526133350j:image

隣の芝生は青い?

パティシエは、いつも子どもたちのあこがれの職業です。

f:id:ashikatan:20170211140245j:image

ある日、いただいたお菓子を何気なくひっくり返すと…。

f:id:ashikatan:20170211140403j:image

「知らなかったからアルミカップで口を切った」、「そのまま食べて、カップがのどに詰まった!」・・・と言い出す人がいないともかぎりません。

どの分野の職種でも、 それなりの苦労はあるようです。

「慣れること」の大切さと難しさ

「事業所の生活に慣れ、楽しく過ごす。」

これは、新しく支援センターに通所し始める子どもの目標に、よく掲げられている事項です。
こんな当たり前のことが目標?
支援センターって、言葉やソーシャルスキルの訓練をするところでしょ?
という思いの方がいらっしゃっても不思議ではないのですが、家庭以外の環境下で、保護者以外の大人の指示に従い、友達と遊ぶことがクリアできなければ、次のステップに進むことはできません。

最近では、大学や短期大学でも、学生たちが新しい環境に慣れ友達との関係が築けるよう、入学前後に合宿やオリエンテーションを実施するところが増えてきました。環境や対人関係でつまずく学生のフォローが目的と聞きます。学生からは「抵抗があったが、この行事を通して友達ができ、楽しい大学生活のスタートが切れた。」という声が多いとか・・・。
やや過保護的な感は否めませんが、大学生に対しても意図的な「友達づくり支援、場慣れ時間の提供」が必要な時代になってきたのかもしれません。

置かれた環境になじめるスピードは、早い人もいればゆっくりな人もいますので、どちらが良いというよりは、個人差の問題です。焦ったり、人と比べる必要はありません。この春、入園、入学、就職など、新しい環境での生活を始めたすべての人が、充実した毎日を過ごせますように、心からお祈りしております。

追伸
園庭にはいろいろな花が咲いていて、春を感じています。f:id:ashikatan:20170411141732j:image

 

自分の足で歩くということ

成人しても、経済的あるいは精神的に親元から離れられない「パラサイトシングル」が増えてきたと言われ始めて久しくなりました。
2010~14年に実施された「世界価値観調査」のデータによると25~34歳の若年層のうち親と同居する未婚者は、日本で約42.2%となっています。
このデータは国の文化、住宅事情によっても異なるので、一概に良し悪しはつけられません。また現在のわが国における経済・雇用状況は決して恵まれているとは言えず、親元を離れて自活したくてもできない若者が増えていることも事実です。
しかしそのような事情をふまえても、子どもが一方的に親に「依存」した場合、親が病気になったり亡くなったりすると自活できない人も出てきており、静かな社会問題となっています。

それを反映してか、子育ての最終目標を聞くと「自立」と答えられる保護者の方が増えてきました。
どうすれば、子どもの自立を促す子育てができますか?と聞かれることもありますが、私自身が教えていただきたいです(泣)。

でも・・・。


毎朝、うちの幼稚園の子どもたちは門で保護者と離れ、自分で荷物を持ち、玄関まで歩いて行きます。ほんのわずかな距離ですが、車生活に慣れ、抱っこやおんぶが主流だった子どもにとっては、一つの大きな関門なのかもしれません。初めは親と離れて歩くことや荷物を持つことが難しい子もいますが、毎日繰り返すうちにできるようになっていきます。
いつも思うのは、門でさっと手を離して岐路につく保護者の子どもさんほど、短い期間でそれをこなせるようになるということ・・・。

子どもの自立を望むなら、まずは親が少しずつその手を離してみることも必要かもしれません。
春の風が感じられるようになった今日この頃、幼稚園に咲いたチューリップと一緒に、自分の足で歩き始める子どもたちを見守りたいと思います。

f:id:ashikatan:20170408123948j:image