今日、希望のタネを蒔きました

療育現場の所長日記です。

教師にだけはなりません!?

私の将来の夢は、教育や子ども関係の仕事に就くことです。

今はいじめや登校拒否(当時の呼称)、校内暴力が多く、教育現場が混乱しています。大人はいつも「子どもが先生の言うことを聞かないから」と言いますが、本当にそれが理由なのでしょうか?

前髪が眉毛につくと職員室に呼び出して切る、指定のバッグ以外に体操服を入れてきたら没収する、先生の気に入らないことを言ったら殴るということを日常に行っている学校に問題はないのでしょうか?

だから私は、教育関係の分野では働きたいけど、教師にだけは絶対になりません。学校という世界で、私の考えは通用しないと思うので、教育評論家になって学校の問題を外から考えてみたいと思います(原文のまま)。

 

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これは当時、中学生だったSちゃんが将来の夢について書いた作文です。

彼女が中学生だった頃は、「校則絶対主義」の最盛期。その背景としては、いろいろなことが示唆されていますが、特に大きかったのは校内暴力をはじめ「荒れる学校」の制圧だったと言われています。当時の保護者は、教師の言うことが多少過激でも聞き入れており、クレームをつけるということは少ない時代でした。そのため、ある学校では女子の水泳大会のズル休みを防ぐために、「生理だから休みたい」と申し出てきた生徒をトイレに呼び、担任の女性教師がナプキンの汚れ具合を見てその是非を判断するという、今であれば間違いなくTwitterが炎上するような行為が平然と行われたこともありました。

 

さすがにこのようなことは、ごく稀な事例と信じたいのですが、Sちゃんの作文を読み、「こんな時代があったなあ」と回想しています。

 

時は流れてSちゃんは・・・。

なぜか絶対に行かないと決めていた教育現場にいます。

提出した作文に「教育評論家などというくだらないものにはならないこと。中に入らないとわからないことがあります。」とコメントしてくれた担任のM先生の気持ちが、ようやくわかるようになってきました。

M先生に手紙を書いてみようと思う今日この頃です。

君の人生を変えた夜

「だいじょうぶ!あなたの気持ちはわかったから!とにかく落ち着いて!」

「そんなの信用できるか!何度、オレのことをだました!?そうやって優しく近づいて、結局は自分の思い通りにするんだ!」

「そんなことないわ。私は他の人とは違う!ほら、安心して。私はあなたを助けたいの。少しだけでも私の話を聞いて。」

「だまされるもんか!!!」

一連の騒動の後、私の手に左足を残したまま、彼はおとなしくなりました・・・。

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これは夏のホラーならぬある夜のできごと。

部屋に侵入してきたバッタを外に出そうとしたのですが、暴れた末に彼(バッタ)の左足が取れてしまったのです。
「生まれて初めての経験」に唖然となり、しばらくは声も出ませんでした。

すぐにインターネットで調べると、「命に別状はないが、ジャンプ力が落ちるので外敵からは狙われやすくなる。バッタの平均寿命は約80日だが、野生に返した場合、それよりは短くなる可能性が高い。」とあります。その場で命を奪ってしまった以上に罪悪感にかられてしまい、このまま虫かごを用意して、人(虫)生を全うするまで面倒を見ようとも思ったのですが・・・。

とある昆虫図鑑によると、バッタの足は、敵に襲われたときなどに足だけ残して逃げられるよう、取れやすくなっている、命を取られるくらいなら、足が取れても逃げるため・・・とあります。足と引き換えにしても逃げようとしたならば、虫かごの人生は彼(バッタ)にとって望む世界なのだろうか・・・。

これはやはり本人に決めてもらうしかないと思い、窓を開けると、待ってましたとばかりに飛び立って行きました。

 

カウンセリングや福祉の領域では「自己決定」を重視します。対象となる人(またはその保護者)が選択し、決定していく、支援者の役割はあくまで、そのお手伝いです。
とは言いつつ、立場上、どうしても伝えていかなければならないこともあり、その時の緊張感とプレッシャーには、いつまでたっても慣れることができません。

あの夜のバッタの行く末を案じながら、残暑の厳しさを感じる今日この頃です。

少子化問題を考える ~子どもの問題は親の責任!?~

とある大型書店のとあるコーナーに行くと、こんなタイトルの本が並んでいました。

「賢い子に育てるコツ」
「子どもの一生を決める△△の育て方」
「小学校前に力がつく○○」
「自分で考え自分でできる~~」
「子どもの褒め方、叱り方・・・云々」

丁寧に分析しながら読んではいないのですが、これらの本に共通するコンセプトは
「子どもの幼少期が大切です。そのときの親のかかわりがその子の人生を決めます!」

でもこのコンセプト、よく見るとおかしな点がある・・・。人格形成の基礎を培う幼児期において、周囲の大人の配慮が重視されるのは当然です。でも親のかかわり方に、その子の人生を決めてしまうほどの力があるかどうかと問われたら・・・?

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正直、私もイエスと即答できる自信はありません。

あるお母さんがこんな話をしてくれたことがありました。そのおうちには3人の男の子がいます。お母さんは同じように育てたつもりと言っていましたが、お子さんたちの「おやつタイム」が何ともおもしろいそうです。

 長男「何も言わなくても分けてくれる。」

 次男「言えば分けてくれる。」

 三男「おやつをもらうと別の部屋で食べる。」

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子どもたちはそれぞれ個性や特性があります。また生まれ育った環境の影響も受けます。つまり子どもは、親が○○したら△△になる(もちろん子どもの心や体を傷つける虐待や極端な育児放棄があれば、将来、さまざまな問題を生み出すかもしれませんが)、というほど単純な生き物ではないのではないような気がするのです。現に保護者とも立派な方で、愛情いっぱいの家庭で育てられた子どもが、行き詰まるケースにもたくさん出会ってきました。


ある一説によると、仮に子どもが問題を起こしても「本人に3分の1、親に3分の1、環境(兄弟、友達、学校、地域、時代背景など)に3分の1」の要因があると考えるくらいでちょうどよいとか・・・。

近年、少子化問題が叫ばれていますが、「子どもの問題はすべて親の責任!」という無言の圧力も原因の一つではないかと思う今日この頃です。

奈良の風に想う③ ~超レア!昭和レトロメルヘンしおり~

いよいよ奈良のお話も最後になりました。

普段は趣味もなく、完全なインドア派の私ですが、一つだけものすごくパワーを発揮することがあります。今回もお目当てのものを探して研究大会の合間にかなりの距離を歩いてきました。

それは・・・。

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1980年~1990年後半にわたってお土産売り場の一角を占拠し、女の子の心をつかんだ「メルヘン絵はがき(しおり)」の収集です。手元にあるもので一番、古いものが小学校の時に出かけた際、フェリーの中で買ったもの、それ以後、修学旅行や家族旅行の都度、買いためてきましたが、最近はお目にかかることがかなり難しくなってきました。

「〇〇にありました!」というインターネット上の微々たる情報を基に、全国のお土産やさんをめぐることが、目下の楽しみです。
このメルヘン絵葉書(しおり)の良さは何といってもレトロな香りと丁寧に余すところなく描かれたイラストです。例えば、有名な某所はこんな風に変身します。

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また修学旅行で有名なあのお寺は・・・。

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今年、サミットが開かれた伊勢志摩も・・・。

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探すコツは、とにかく人通りの少ない場所にあり改装していない(もっと言えば開いているのかどうかも不明な)古いお店を当たることに尽きます。現物の写真を持って一軒一軒回る・・・という犯人探しの刑事まがいな行動を繰り返すと、たいていは「ああ!これ!昔はよっけ(たくさん)あったんやけどなあ・・・。」と申し訳なさそうに言われることがほとんどですが、たまに「ちょっと待ってよ・・・、確かここに・・・」と棚の奥から出してきてくれることもあり、手に入れたときの喜びは格別!

古いものは誰かが大切に守ってきたからこそ残るものだそうです。このはがきたちも、かつては大量生産されたようですが、現在はメールや携帯、タブレットの普及により、しおりやポストカードの需要がなくなるとともに、消えていきました。現在の状況、作る手間や金額を考えると再版も絶望的で、今残っているものしか手に入れることはできないと、どのお土産屋さんもおっしゃいます。

もし、メルヘン絵はがき(しおり)の生息情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ご一報いただけますと幸いです。

ちなみに今回はかなりの収穫があり、大変、有意義な宝さがしでした。
またコレクションに追加です。

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奈良の風に想う② ~ホスト顔負け⁉︎~

奈良公園では、鹿がルールです。
横断歩道を闊歩する鹿には、車も道を譲ります。

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その先を見ると・・・。

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奈良の街は知り尽くしています、ガイドブックに載っていない穴場もご案内します、などなど。夏の海のナンパかと思うほど巧みな声掛けをウオッチングするのは、なかなか楽しいものでした。外見だけでなく、会話ができる車から乗り手が決まっていくように見えたのは気のせいでしょうか。

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 さらに観察を続けて気づいた事ですが、彼らの心配りは歌舞伎町のホストも、心の専門家と言われている心理士も真っ青!?と思うほど洗練されています。
まず相手の一瞬のスキを見逃さない。タオルや飲み物の気づかいはもちろんのこと、客の様子をよく見てほめるところを見極め、会話の端々から好みそうなスポットを提案する。一番、びっくりしたのは、小学生の女の子とお母さんが降りる時に差し出した割引券。「この使用期間は無期限です。どうぞ彼氏ができたとき、もう一度奈良公園に来てくださいね。」という言葉にさわやかスマイルを添えて・・・。

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休憩に立ち寄ったお茶屋。他にお客もおらず、お店の方とお話ししたのですが、こんなことをおっしゃっていました。
「以前はね、少々不愛想でもね、体力があって道に詳しい人ならできる仕事だったんですわ。でも、今はさ・・・。とにかく、なんつうかいわゆるイケメン?言うんかの?それと合わせてお客さんを喜ばせる会話できんと勤まらんのよ。」

 

人とのつきあいが苦手です、どのように関わればいいのかわかりませんという人が増えています。社会生活に支障がなければ「個性」の範囲で収まりますが、日本社会は相手が何も言わなくても「空気を読む」ということが何よりも求められますので、最悪の場合、就職してもうまくいかず転職を繰り返したりひきこもりになったりするケースが多く見られるようになってきました。その背景に「発達障害」があるのではないか?というのが、最近の研究の仮説ですが、その話は別の機会に譲るとして、コミュニケーションをとることが苦手な人たちが生きにくい時代になったことは否めません。

 

そんなことを考えながら、奈良の風を感じていました。

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奈良の風に想う① ~目で見てわかることの大切さ~

先日、奈良に出張していました。小学校の修学旅行以来の地ですが、古都の香りが何とも心地よかったです。
「古都」と言えば某府も有名ですが、奈良の風景は「作り込み」がない・・・。
そのままの文化が残っていて、人の手がつけられていない(もしくはつけられていることを感じさせない)風景が気に入りました。

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ただ、他県に行くといろいろとわからないことが出てきます。
普段は車生活をしているので、公共機関も複雑だし、ましてやバスに乗る経験など、ほとんどないので、どうしたものかと迷うことが多々ありました。
キョロキョロと、スマホ検索をかけながら歩いていた私の姿は、外国人観光客とそう変わらなかったと思います。そんな時に役に立ったのは、看板などの標識です。

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下の看板は、たくさんの場所で見かけました。最近ではいろいろな国の人に向けてわかりやすく表現していますが、日本人の私にもわかりやすかったです。

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「理解」の方法は人それぞれです。聞いてわかる人、見てわかる人、聞いて見て手助けがあってわかる人・・・。
近年、注目されている「発達障害」と呼ばれる子ども、または明確な診断名はもたないけれど「発達の気になる子」もほんの少しの工夫で、楽しい生活が送れるのかもしれません。


 余談ですが、ホテルでセルフの朝食をいただいた後の食器片づけコーナー・・・。くまこ先生を思い出しました。彼女、この手の方法にはかなり精通しております。

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夜なべ仕事の合間に・・・②

今日は担当している保育者養成校学生さんたちのテスト採点をしています。
今回は学生の語彙と表現力を見るために、こんな問題も出題してみました。

問5 あなたの将来の夢を5・7・5・7・7の
   短歌で表現しなさい。
 

・親も子も どちらもケアする先生に 
 親子をつなぐ頼れる人に  

・子どもたち みんなを想い行動し 
 笑顔素敵な先生目指す  

・なりたいな いつも笑顔で接してる 
 一人一人に向き合う保育士  


・保育士の 夢をかなえるその日まで 
 努力し続け頑張る日々を  

・笑顔よく! やる気バッチリ!元気よく!
 そんな保育士なれますように  

・なりたいな いつか必ず憧れで 
 大好きだった恩師のように  


・ひとりでも 笑顔で幸せなれるよう 
 しっかり学んで夢に生かす  

・頼られて いつも周りに子どもたち 
 笑顔いっぱい元気な保育士  

・将来は 自分の育った幼稚園 
 恩師の隣で働くのが夢

近年の学生たちは、学部を問わず、学力低下、ゆとり化などなど、あまり良い評価をもらえていません。
全国の保育者養成校においても例外ではなく、保育業界の待遇の悪さばかりがクローズアップされ、資格取得後も他業種に就職する学生も多いとか。

でも・・・。
この解答を見る限り、希望のタネが芽吹く可能性はあるような気がします。

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