とある大型書店のとあるコーナーに行くと、こんなタイトルの本が並んでいました。
「賢い子に育てるコツ」
「子どもの一生を決める△△の育て方」
「小学校前に力がつく○○」
「自分で考え自分でできる~~」
「子どもの褒め方、叱り方・・・云々」
丁寧に分析しながら読んではいないのですが、これらの本に共通するコンセプトは
「子どもの幼少期が大切です。そのときの親のかかわりがその子の人生を決めます!」
でもこのコンセプト、よく見るとおかしな点がある・・・。人格形成の基礎を培う幼児期において、周囲の大人の配慮が重視されるのは当然です。でも親のかかわり方に、その子の人生を決めてしまうほどの力があるかどうかと問われたら・・・?
正直、私もイエスと即答できる自信はありません。
あるお母さんがこんな話をしてくれたことがありました。そのおうちには3人の男の子がいます。お母さんは同じように育てたつもりと言っていましたが、お子さんたちの「おやつタイム」が何ともおもしろいそうです。
長男「何も言わなくても分けてくれる。」
次男「言えば分けてくれる。」
三男「おやつをもらうと別の部屋で食べる。」
子どもたちはそれぞれ個性や特性があります。また生まれ育った環境の影響も受けます。つまり子どもは、親が○○したら△△になる(もちろん子どもの心や体を傷つける虐待や極端な育児放棄があれば、将来、さまざまな問題を生み出すかもしれませんが)、というほど単純な生き物ではないのではないような気がするのです。現に保護者とも立派な方で、愛情いっぱいの家庭で育てられた子どもが、行き詰まるケースにもたくさん出会ってきました。
ある一説によると、仮に子どもが問題を起こしても「本人に3分の1、親に3分の1、環境(兄弟、友達、学校、地域、時代背景など)に3分の1」の要因があると考えるくらいでちょうどよいとか・・・。
近年、少子化問題が叫ばれていますが、「子どもの問題はすべて親の責任!」という無言の圧力も原因の一つではないかと思う今日この頃です。