今日、希望のタネを蒔きました

療育現場の所長日記です。

「鬼滅の刃」に思う

幼稚園はお遊戯会のシーズンです。いろいろな音楽が流れてきますが、「鬼滅の刃」のテーマソングに関しては、子どもたちが大きな声で歌ってくれますので、サビ部分は覚えてしまいました。

マスコミでも大きく取り上げられているので、子どもたちの話についていくため、見てみることにしたのですが・・・。
正直、3話くらいまではどこが人気のツボなのか全くわかりませんでした。
主人公が家族の仇を打ち、妹を救うために修行して強くなる、いろいろな人に出会い成長しながらラスボスを倒すという、現代版「鬼退治」かドラクエもどきであることは理解できたのですが、歴代日本映画興行収入がランキングするほどおもしろいとは思えません。

しかし、根気よく見続けるとなかなか深い作品であることがわかってきました。
時代構成やキャラクターについては、ファンの方がお詳しいと思いますが、私が興味深かかったのは、登場人物の置かれた環境や心理描写です。

まず敵とされる「鬼」ですが、みんな好きで鬼になったわけではありません。
様々な事情のもと、やむを得ずその立場に置かれた者たちです。パワハラ、DV、機能不全家族など今の社会病理をうまく取り込んでいて、倒された鬼が亡くなる前にその生涯を回想するシーンでは、つい感情移入してしまいます。

次に主人公をはじめとした「鬼退治」に参加する少年たちですが、これまた複雑な生い立ちを背負っています。彼らは親以外の大人に育てられ、多くの人が亡くなるのを目の当たりにするという「心的外傷後ストレス障害(トラウマ)」に罹患しても不思議ではない少年たちなのです。にもかかわらず(もちろんアニメであることは差し引きますが)、健気にその使命を全うしようとしている姿を見ると、子どもが育つために必要なものや、人を癒し支えるものは何なのか考えさせられました。

今のところ、答えは出ていませんが、再度1話からじっくり見直せた頃、映画もアマゾンプライムで見られる?という希望的観測を抱きつつ、ティータイムに入ります。

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