セミの声が聞こえなくなると、秋の訪れを感じます。
幼虫期が長く、土から出て約1週間しか生きられないセミの生涯は有名です。
しかし、それぞれの運命(さだめ)に従って生き、死んでいくのは、セミだけではないようです。
この本では、子に身を捧ぐ生涯を送るハサミムシ、卵を産めなくなった女王アリの最期、最後は共に肉となる草食・肉食動物、食べられるためだけに生まれ死んでいくニワトリ・・・などが、わかりやすい文章で紹介されています。
普段、あまり気に留めることがない生物ですが、そのの生きざまを通して、哲学的な人生を考えさせられました。
秋の夜長に…
動物に興味がある方に…
生きていて何の意味があるんだろうとお悩みの方に…
おススメの1冊です。
(本文より)
科学技術万能の時代に生きる私たちにとっても、死を前にできることは限られている。愛すべき人が息もせず、永遠に動かなくなってしまった現実を前にすれば、私たち人間もまた、ただただ悲しむことだけなのである。
稲垣栄洋 著「生き物の死にざま」草思社 出版