今日、希望のタネを蒔きました

療育現場の所長日記です。

ある日、突然当事者に…③

近くのものが見えにくい!と感じ始めてから約1年。
それでも何とか生活できていたので放置していましたが、最近は本を読むのが辛くなってきたため、もはやこれまで・・・と、生まれて初めて眼鏡屋さんに行ってきました。

眼鏡もコンタクトも無縁の世界で生きてきたので、眼鏡のことは全く分からないし、恐る恐る店内に入ったのですが、「いらっしゃいませ~」と明るい笑顔の店員さんが迎えてくれました。

「今日はどうされましたか?」と聞いてくれたので、今の状況、これまでの経過を説明しどのようにすればいいかを尋ねました。すると「それはお困りですね」と言った後、とりあえず、これをかけてみてくださいと一つの試供用眼鏡を手渡されました。

すると・・・。
見える、見える!今までかすんでいた文字がくっきり見えます。
これでしっかり見えるということは、やはり視力が落ちている・・・と思いつつ、いくつか試していると、「もし字を読むためだけならこれもあります。」とハズキルーペを手渡されました。「これは拡大鏡です。眼鏡ではないので。」とのこと。
眼鏡に抵抗はないし、見えないものは仕方ないと腹をくくったつもりでしたが、お店の方には眼鏡を使用することが受容できていないように見えたのでしょうか。

生活しているとこれまで何の変哲もなく生きてきたのに「まさか、こんなことが!?」と思うことが降りかかってくることがあります。
そんな時、運命とかあなただからこそ与えられた試練とかと言われても「どうしてそれが自分なのか?」という気持ちが先に立ち、受け入れがたい気持ちになるのは当然のことで、受け入れまでにかかる時間やその経過は、人により異なります

受け入れがたい試練に見舞われた際、あの眼鏡店の店員さんのように、揺れる気持ちに寄り添ってくれる人がいたら少しは救われるかもしれない・・・そんなことを考えながら、キーを打つ雨の日です。

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