今日、希望のタネを蒔きました

療育現場の所長日記です。

ある講習会の話①「手伝ってください」が言えますか?

ある知能検査の講習会に参加した時のお話です。
最近は、心理検査等についてのコンプライアンスが厳しくなっており、詳しい内容については割愛しますが、私が体験したことや考えたことについてお話できたら幸いです。

この類の講習会は、参加資格が限定されていることが多く、一応、専門家集団の集まりです。当然「聞いたことはあるけれどよく知らない」言語が飛び交うことがあります。

それでも講義ならば(最悪、わからない言葉は後で調べるとして)何とかやり過ごすこともできますが、問題は実技です。
何度も練習したはずなのに、ちょっとした手順や配置がわからず、ペアの人に迷惑をかけてしまうことがないか、いつもドギドキしてしまいます(泣)。

こんな時に、わかりません、教えてくださいと、言うことができれば楽なのですが、変なプライドが邪魔するのか、この業界特有の雰囲気がそうさせるのか、なかなか助けを求めることができない・・・ということを繰り返しています。

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療育や教育を考える時、「できるようになることを増やす」ということを目標にすることはないでしょうか。確かにできることが増えると生活する上で便利なことも増えてきます。けれども目まぐるしく変化する世の中で、常に新しいことを知り、いろいろなことができるスキルを身に着けることは至難の業です。
例えばボタンがかけられない、や~めたではなく、どうやったらうまくいくのかを考える、時には身近な大人や友達に「手伝ってください。」と助けを求めることも大切なスキルの一つです。

子どもたちと向き合うとき、一人でできるようになることが「自立」ととらえていないか、できないときに援助要請ができる力を育てているか、もう一度再考したいと思います。