何が悪かったのかなあ…とか、この失敗の原因は何だろう…と考えてしまうことはありませんか?
とある動物森で、シマリスさんは今日も深いため息をついています。
大好きな蛇弐図パン屋で、このお店の看板ボーイである5匹組のお兄ちゃんたちがけんかして、パンを焼くグループを解散するといううわさが流れていたからです。
木の葉出版の「女子自身」によると、「蛇弐図」パンで、お兄ちゃんたちに仕事を教えてくれたイノシシのお姉さんが、自分のお店を持とうとしたことにあるそうです。
イノシシのお姉さんと仲の良かった5匹組のお兄ちゃん(通称:あにまっぷる)たちが、お姉さんについていく、行かないでもめ始めたと、書かれていました。
大きなはさみでどんな苦難も断ち切るリーダーのなかにくん、
クールボーイくまごろちゃん、
朝ごはんのアイドルママ役もこなしたことりくん、
グループの調整役うさなぎくん・・・の4匹はイノシシのお姉さんと一緒に新しいお店を作ることを考えましたが、数々の○○男に選ばれている、きむらくだくん(略してきむらく)だけは反対でした。
結局は、きむらくが「蛇弐図」の店長、ジャガーさんに頼み、森の公民館の舞台で5匹が「やっぱり、あにまっぷるとして蛇弐図でパンを焼き続けます」宣言をさせてもらったのですが、森のみんなは、なぜかしっくりきませんでした。
それどころか、「きむらく、自分だけいカッコしてる!」という批判が集まっていると、木の皮出版「週刊過去」には書かれていました。
一瞬、パンを焼き続けるかに見えた、あにまっぷるですが、「ABRA」という雑誌によると、5匹の溝ばかりが強調されています。結局、年末恒例の「紅白パン焼き合戦」にも出ることなく、森の掲示板に簡単な挨拶だけを貼り、5人のパン作りグループは解散となってしまいました。
気がつくとシマリスさんの隣に、仲良しの長老、ふくろうおじさんが座っていました。
いいかシマリス、今回のグループ解散の背景には、29回の軽い行き違いがあり、その背景には大きなトラブルには至らなかったが、誰しもがヒヤリとする300回の瞬間があったはずだ(ハインリッヒの法則)。イノシシのお姉さんがいなくなったことはきっかけであり、彼らがバラバラになってしまった原因ではない。
そして最後に長老ふくろうは、意味ありげなほほ笑みを浮かべてこう言いました。
それにしても・・・この事件で一番損をし、一番得をしたのは誰なんじゃろうなあ・・・。
まあ、確かに言えるのは、もう我々は、彼らの作ったパンを、食べることができなくなってしまったということだがなあ…。
※ハインリッヒの法則
労働災害における経験則の一つ。1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するという。