「死にたいくらいにあこがれた花の都大東京」とか「上京物語」といった言葉があるように、昔から東京は若者のあこがれの街のようです。
数十年前は「東京で夢を叶える!」と宣言し、就職や進学を目指す地方の学生が多数いました。私の記憶に残っているだけでもいくつかありますので、総数はかなりの数だったことでしょう。
しかし最近の学生は少々志向が変わってきているようです。以下Aちゃんとの会話。
「やっぱり、日本の首都は東京。チャンスも多いし、若いうちに一度、出てみたら?」
A「チャンスは多くても人も多いから、成功する確率は同じじゃない?人が多いということは優秀な人の割合も相対的に高くなる」
「でもお店も多いし、欲しいものもすぐ買えるよ。」
A「アマゾンプライムあるから、別に困らない。あのバカ高い家賃払って、欲しいもの買えるだけのお金は残るの?」
「・・・」
A「東京でうまくいかなくて帰ってきても、就職ってあるの?人手不足と言っても、みんなが行きたいなあって思う会社は、ほとんど新卒優遇だし。ましてや役者目指して東京でフリーターしていましたっていう人に対して、田舎の人は冷たいよ。」
Aちゃんが現実的なのかどうかはわかりませんが、私自身、今の日本は「やり直し」がしにくい国なのではないかということは感じています。
例えば〇〇になりたい!と思ったら、それを目指せる学校に入り資格を取る、途中で違うなあと思えばやり直せばいいと言われても、時間的、金銭的にかなりのリスクを背負います。
いろいろなことを体験して自分のやりたいことを見つけるということが推奨されますが、現実的にそれができる人はごく僅か・・・。
このような矛盾の中を生き抜く知恵としてAちゃんのような思考があったとしても、「向上心がない」と批判することはできないと思うのですが、ちょっと夢がなさすぎるかなあ(笑)。
ちなみに先日も東京は「眠らない街」というより「眠れない街」の方がしっくりするくらい、夜中もネオンが輝いていました。