今日、希望のタネを蒔きました

療育現場の所長日記です。

子どもの「空想」が教えてくれること

当支援センターの療育では、

・語彙を増やす。

・助詞の活用を学ぶ。

・記憶力や推察力を高める。

・登場人物の気持ちを考えることを通して、

   他者の視点を理解する。

ことなどを目的に、昔話カードを使うことがあります。

 

子どもと一緒に絵本を読み、そのテーマに合った童謡を歌い、最後に絵カードをストーリー順に並べさせるという内容で、集中して話を聞く訓練にもなる楽しい課題です。

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ある子どもが私にこんなことを聞きました。

「なんで、かぐやひめは月に帰ったの?」

私が「なんでだと思う?」と聞き返すと、

「あのね、お母さんとお父さんが怒るから!」

 

心理テストには「投影法」と呼ばれる種類のものがあります。どのようにも解釈できる絵を見せて、何に見えるかを答えさせ、結果を分析していく方法です。

大学時代、長年、臨床現場におられた教授は、「投影法の中で語られる空想をバカにしてはいけない。空想は人間の経験(テレビや本など2次元を含めて)を超えることはない。空想で語られた中身にこそ、支援のヒントがある。」と何度もおっしゃっていたことを思い出しました。

 

子どもたちが話してくれることを丁寧に聞き取る姿勢を大切にしていきたいと思います。