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今日、希望のタネを蒔きました

療育現場の所長日記です。

君の人生を変えた夜

「だいじょうぶ!あなたの気持ちはわかったから!とにかく落ち着いて!」

「そんなの信用できるか!何度、オレのことをだました!?そうやって優しく近づいて、結局は自分の思い通りにするんだ!」

「そんなことないわ。私は他の人とは違う!ほら、安心して。私はあなたを助けたいの。少しだけでも私の話を聞いて。」

「だまされるもんか!!!」

一連の騒動の後、私の手に左足を残したまま、彼はおとなしくなりました・・・。

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これは夏のホラーならぬある夜のできごと。

部屋に侵入してきたバッタを外に出そうとしたのですが、暴れた末に彼(バッタ)の左足が取れてしまったのです。
「生まれて初めての経験」に唖然となり、しばらくは声も出ませんでした。

すぐにインターネットで調べると、「命に別状はないが、ジャンプ力が落ちるので外敵からは狙われやすくなる。バッタの平均寿命は約80日だが、野生に返した場合、それよりは短くなる可能性が高い。」とあります。その場で命を奪ってしまった以上に罪悪感にかられてしまい、このまま虫かごを用意して、人(虫)生を全うするまで面倒を見ようとも思ったのですが・・・。

とある昆虫図鑑によると、バッタの足は、敵に襲われたときなどに足だけ残して逃げられるよう、取れやすくなっている、命を取られるくらいなら、足が取れても逃げるため・・・とあります。足と引き換えにしても逃げようとしたならば、虫かごの人生は彼(バッタ)にとって望む世界なのだろうか・・・。

これはやはり本人に決めてもらうしかないと思い、窓を開けると、待ってましたとばかりに飛び立って行きました。

 

カウンセリングや福祉の領域では「自己決定」を重視します。対象となる人(またはその保護者)が選択し、決定していく、支援者の役割はあくまで、そのお手伝いです。
とは言いつつ、立場上、どうしても伝えていかなければならないこともあり、その時の緊張感とプレッシャーには、いつまでたっても慣れることができません。

あの夜のバッタの行く末を案じながら、残暑の厳しさを感じる今日この頃です。