今日、希望のタネを蒔きました

療育現場の所長日記です。

ある心理士の憂鬱②

不登校ねえ・・・。最近は、体の不調を心の不調と置き換える傾向があり、医師としても困っています。薬はイヤだ、副作用がある、医者は何でも病気にしたがると言われることもしばしば・・・。でもね、朝、起きられない理由の一つに、起立性調節障害というのがあるんですよ。簡単に言えば、自律神経の機能不全です。これにはよく効く薬もありますので、一度、医療機関の受診を勧めてください。

ああ、先生、いかがですか?彼の様子は・・・。そうですか、まだ登校はしていない・・・。カウンセリングにもいろいろな技法がありますからね。私はもっぱら認知行動療法を用いるのですが、これが一番、効果が高いんですよ。ただ話を聞いて受容だ共感だと言っているだけでは、登校できるようにはなりません。

  あなたが孫の担当の先生ですか?いつも孫がお世話になっております。先生、孫は○○高校に本当に行きたかったみたい。入学したらやりたいこともたくさんあったでしょう。ところが実際は自分が全く希望しない学校に通うことになった。まあそうなれば、落ち込むのも当然でしょう。誰しも思い描いた未来と現実が違うのは辛いことです。何もうちの孫だけではありません。このままだったらひきこもってしまう?もしそうなっても本人の人生です。むしろこのくらいの挫折でひきこもるなら、これからの人生だって怪しいものですわ(笑)。でもね、先生、うちの孫は大丈夫ですよ。どんな経過をたどっても、きっと立ち直りますから。

  紆余曲折はありましたが、彼は第一志望の大学に進学し、将来の夢に向かって歩きだしました。いろいろな人がいろいろな立場から彼を支えたことは事実ですし、こんなにまとまった事例ばかりではありません(むしろ少ない)。

でも・・・真の意味で失意の彼を支えたのは何だったのでしょう?

あなたが本当につまづいたとき、そばにいてほしいのは誰ですか?