今日、希望のタネを蒔きました

療育現場の所長日記です。

冬に咲く花

「先生!水仙のお花が咲いてるの!」
水仙はね、冬に咲くんだよ!」

先週のある日、園庭の水仙を指さすMちゃんの言葉で一日が始まりました。

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店舗、雑誌、CM、TV番組などは、3月になると一斉に「花」を扱います。
だからいきおい「花」イコール春のイメージがあり、「冬に咲く」というMちゃんの言葉はとても新鮮に聞こえました。

後で調べると、水仙は冬から春にかけて花開くそうです。
桜は卒園式の頃につぼみがふくらみ、チューリップは入学式の頃、あじさいは梅雨の時期、朝顔やひまわりは夏、コスモスは秋に花開き・・・。
開花の時期は、花の特性によって異なり、春に咲く花も夏に咲く花もそれぞれの美しさをもっており、その時期に対して「遅い」「早い」と感じる人は、少ないのではないでしょうか。

花と同じく人間も開花の時期は、個人で異なります。
今、思うような花を咲かせることができていなくても、可能性を信じて待つ力が必要なのかもしれない・・・と思う桃の節句日です。

ある講習会の話①「手伝ってください」が言えますか?

ある知能検査の講習会に参加した時のお話です。
最近は、心理検査等についてのコンプライアンスが厳しくなっており、詳しい内容については割愛しますが、私が体験したことや考えたことについてお話できたら幸いです。

この類の講習会は、参加資格が限定されていることが多く、一応、専門家集団の集まりです。当然「聞いたことはあるけれどよく知らない」言語が飛び交うことがあります。

それでも講義ならば(最悪、わからない言葉は後で調べるとして)何とかやり過ごすこともできますが、問題は実技です。
何度も練習したはずなのに、ちょっとした手順や配置がわからず、ペアの人に迷惑をかけてしまうことがないか、いつもドギドキしてしまいます(泣)。

こんな時に、わかりません、教えてくださいと、言うことができれば楽なのですが、変なプライドが邪魔するのか、この業界特有の雰囲気がそうさせるのか、なかなか助けを求めることができない・・・ということを繰り返しています。

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療育や教育を考える時、「できるようになることを増やす」ということを目標にすることはないでしょうか。確かにできることが増えると生活する上で便利なことも増えてきます。けれども目まぐるしく変化する世の中で、常に新しいことを知り、いろいろなことができるスキルを身に着けることは至難の業です。
例えばボタンがかけられない、や~めたではなく、どうやったらうまくいくのかを考える、時には身近な大人や友達に「手伝ってください。」と助けを求めることも大切なスキルの一つです。

子どもたちと向き合うとき、一人でできるようになることが「自立」ととらえていないか、できないときに援助要請ができる力を育てているか、もう一度再考したいと思います。

ビニール傘

先日、出張先で雪まじりの雨に遭遇しました。

コンビニの傘、高いのにもったいないなあ…
少しくらい濡れてもいいかなあ…
いや、私はともかく書類をどうしよう…

としばらく葛藤したものの、段々と強くなる雨音に負けて、たまたま目の前にあったデ〇リース〇アに駆け込みました。

一般的に、コンビニの傘は種類が少なく、単価も高めです。
ところがこのお店のビニール傘は6種類もあり、値段もまちまちでした。
こうなると迷うのが人の性(さが)・・・。
さて、どうしようと思った矢先、駆け込んできた3人連れのグループの会話はなかなかユニークなものでした。

A 350円傘
「どうせ捨てるし、一番安いのでいいよね。」

B 700円傘
「そんなのもったいないよ。数百円足せば、このしっかりしたのが手に入るし、これなら会社の置き傘にもできるし。」

C 450円傘
「でもBのはやっぱりそれは高いよ。だけどAのは短いし持ちにくそう。これなら捨ててもいいし、持って帰っても使えるからCにしよう。」

どの答えも正解で、どれを選んでも「雨を避ける」という最低限の目的は達成されるのですが、3人は真剣に話し合っていました。

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昨今、インターネットの普及でいろいろな情報が簡単に入手できます。
ただし先述した傘のように、たくさんの選択肢があるということは、それだけ迷う機会が増えることになり、それが悩みの原因になるということもあります。
必ずしもたくさんの選択肢があることは喜ばしいことではないのかもしれません。

追伸
ちなみに私が選んだのはA~Cのどの傘でしょうか(笑)?

#きこえますか

(……きこえますか… きこえますか… 子どもにかかわる職業に就く… 医師、保健師、保育士、教師のみなさん… 私は子育てが辛い母親です… 今… あなたたちの…心に…直接… 呼びかけています… 子育てに悩み迷い…時には立ち止まる… そんな母親を責めては…いけません… あなたが…すべきこと…しなくてはならないことは…「母親であれば〇〇できるはずだ」と決めつけを…やめること…です…その母親の想いを…想像するのです…適切なかかわりかたを…考えるのです…この本を読むのです……)
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中身はマンガと発達障害の専門家である杉山登志郎先生の談話で構成されており、一気に読了できる内容です。

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今年初投稿は、自戒の念をこめて、少し前に Twitter界隈で流行していた「心に直接呼びかける」系ツイートをしてみました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

追伸
上記図書は、当支援センターにて貸し出しできますので、お気軽にお声掛けください。

 

翼をください

電車に乗る機会は滅多にないのですが、たまに乗るとここ最近は、毎回といっていいほどハプニングに巻き込まれます。

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新しい記憶では、9月に台風で東京に取り残され、10月はビニールが架線に巻きついたとかで、指定席予約の列車が運休、11月はよくわからない運休で予定していた電車が来ない、今日は出張帰りの電車が接触事故を起こし、電車内で数時間…といった具合で、電車と私の相性はよくないみたいです。

現場検証のため、暖房の効かない真っ暗な車内に取り残されるといろいろなものが見えてきます。急ぎの仕事があるから、降りたい❗️と車掌に詰め寄る人、デッキで大声で電話連絡する人、スマホを持って写真撮影に勤しむ人…などなど。また時間が経つにつれて、イライラする人が増えてきていて、状況説明の少なさが人の心情に与える影響について考えさせられました。

ただ、鉄道会社側も出せる情報、出せない情報があるはずで、暗闇の中、乗客の冷たい視線に耐えながら、何度も懐中電灯を照らして「警察の現場検証中です。今しばらくお待ちください。」と回る車掌さんも大変です。

ピンチの時ほど、その人らしさが出る」と言う話を聞いたことがありますが、あながち間違いではないかもしれません。

でも…

この季節のこの時間に、暖房と電気なしは辛いです。神さま、飛んで帰れる翼をください❗️

石の話

私が初めて「石」に興味を持ったのは、もうずいぶん昔の話。
当時、何か悩みを抱えていた私を心配した大親友のMちゃんが、気持ちを落ち着け、前向きになると言われるパワーストーンをプレゼントしてくれたことがきっかけです。

昨日、久々に「石」に出会う機会がありました。
色とりどりのブレスレッドがあり、愛のシンボルローズクオーツをはじめ、集中力を高めるフローライト、夢を叶えるアマゾナイトなどなど、一層のことすべて買い占めたいくらい願い事の多い私は、かなり迷うことになりました。

さてどうしよう・・・と思ったとき、ふと目についたのが「アパタイト」というパワーストーンで作られたもの。
アパタイト?聞いたことないなあ・・・と一瞬、感じたのですが、以前、あるパワーストーン店で「あなたが選ぶのではなく、石があなたを選ぶ。だから深く意味を考えずに、直感で選んだほうがよい。」という話を聞いたことを思い出しました。

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ちなみに後で調べるとアパタイトには、「心身のデトックス」、「未来への指針を与える」作用があるそうで、今の私にとってはかなりタイムリーにほしい効果!
毎日、つけておかなくては・・・(笑)。

ある日、突然当事者に…②

痛む足をテーピングとサポーターで固定し、何とか役目は果たしたのですが、帰りの予定日に台風24号が直撃。
早い段階で交通機関は計画運行に切り替えたので、私は陸の孤島に取り残されました。

翌日、ようやく電車が動き出したものの、駅は人であふれて入ることもできません。
おまけにスーツケースを押しながら、足を引きずっての移動はかなり厳しい。まず普段は、何でもない通路が歩きにくく、人をかわすことにもかなり気をつかいます。
やっとのことで、のぞみ〇〇号、18番ホームと案内を見つけたのですが、目の前には気が遠くなるほどの階段・・・。
けれどもエスカレーターを使うためには、ずーっと向こうまで歩かなければなりません。近くの階段か遠くのエスカレーターか?
頭の中で悶々と計算し、意を決して階段を使うことにしました。

やっとのことで18番ホームにたどり着きましたが、肝心ののぞみ〇〇号の姿なく、ひかり△△号があります。まさか!?と思い、近くの駅員さんにお聞きすると、「申し訳ございません、ダイヤの乱れでのぞみ〇〇号はホームが変わります。」とのこと。
「殺す気ですか!!!」とは言えず、もう半泣きになりながら階段を下りて、指定されたホームに移動しました。

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日本の首都は地方に比べて、設備面でのバリアフリー化は進んでいます。地方の無人駅では隣のホームに移動するにも高架橋を渡らないといけない所が何か所もありますので、それに比べたらエスカレーターの普及率はかなり高いと思います。
しかし当事者として歩いてみると、エスカレーターやエレベーターは数も場所も限られており、結果としてかなりの距離を歩かなければならないことに気づかされました。

限られた予算で、すべてにおいて少数の人々に配慮することは難しいと思います。しかし「バリアフリー化していない箇所の方が多い」という認識は忘れないようにしたいです。