今日、希望のタネを蒔きました

療育現場の所長日記です。

くじ引き

あるスーパーでガラポンくじの券をいただきました。景品を見てみると、1等はお米、2等はマヨネーズ、3等はスナック菓子、4等はインスタントスープ、5等がトイレットペーパー1個です。

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とりあえずくじの列に並ぶと、いろいろな声が聞こえてきました。ある主婦の方は「絶対、お米がほしい!」、子どもは保護者に「ママ、ぼくが回すよ!お菓子当てる!」と張り切っています。

それにしてもこの1〜5等は何の基準をもって決められたのでしょう?1等のお米を見ると値段のような気もしますが、あとはどんぐりの背比べで、私のように、食料の買い置きしない派には、5等がうれしかったりします。

現在、学校は偏差値で細かくランク分けされ、週刊誌には◯歳の平均年収!といった特集が組まれ、就職先自体を給料で序列化する記事も見かけるようになってきました。そのような中で生活していると、つい数値に目を奪われてしまいますが、社会が決めた基準と自分の価値観が一致しない時があるのかもしれません。

 

人手不足とはいえ…

先週、保育士国家試験がありました。
養成校に進学せず、独学でこの資格試験に挑戦する人も増えていると聞きます。 
今年度の保育士試験、あるニュースのトップ記事になるなど、少々、話題になっていたことをご存知でしょうか?

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受験者がこの試験のある科目について「正解がないのでは?」と、指摘したのが発端のようです。大学受験の採点ミスが続いていたり、人によっては就職の際に必要であったりと、人生を左右する試験ですから、注目が集まることも仕方がないことなのかもしれません。正答は出題者のみ知ると思いますので、しばらく静観したいと思います。

それはさておき、この問題にちなんで、あるSNSサイトで受験者の反応を見てみました。匿名性のSNSですから、言いたいことが言えますし、本当に受験者の言葉なのか、あやしい発言もあります。
ただ(将来、保育士を志す方の発信と仮定して)「何百年も前の保育の先駆者の名前なんか知らなくてもよい、落とすことが目的の試験だ」とか、「保育士の試験なのに、介護の問題など関係ない」という発言が飛び出すと、発言者に対して、この問題がなぜ保育士試験に必要なのかがわかるまでは、せめて、上記のような感情に任せた発言を抑制する力がつくまでは、合格してほしくない、と意地悪なことを考えてしまいます。

いくら人手不足の業界とはいえ、目先の合格にだけとらわれ、現在の「保育」は、どのような経過をたどって今の形になったのかを知らない人や、少子高齢化と言われる現代社会において、子どもたちの遠い未来にある「介護」問題を関係ないと言い切る人には

入ってきていただかなくても結構です!

と言い切るプライドは持ち続けたい・・・と思います(小声)。

目と目で通じ合う?

新年度が始まり、ひと月が経とうとしております。
新しい職場、学校、幼稚園や保育園の生活に慣れてくるとともに、少々の疲れが出てくる時期ではないでしょうか。

今日は私事を少し・・・。
3月末から4月にかけてバタバタするのは毎度のことですが、この4月はめずらしく体調を崩し、何とか職場には立てるのですが、咳込みがひどく、発作が起こるとしばらく治まらない日が続いております。

先日もある親子の集まりで、歌あそびをしていたのですが、その最中にこの発作がやってきました。大勢の前で中断するわけにいかず、思わず、後ろで伴奏してくれていた先生に視線を送ってみると・・・。
天の救い!すぐに交代して私の続きを引き取ってもらえました。
何気なくピアノに向かう私は、そこまで不自然ではなかったはず・・・?

今日も長時間話す場面がありました。あと少し、あと少し・・・と励ましながら、文書の読み上げをしましたが、やはり途中でダウン。またそっと隣の先生に視線を送ると、何も言わずにマイクを引き取っていただき、事なきを得ました。

困ったときの「手助け」は本当に身に沁みます。
私自身は、周囲の人の「視線」をどれだけ拾うことができているのか、あらためて問い直す雨の夜です。

追伸
先日、ある学校の入学式に出席させていただきました。
これからの生活に幸多かれと心より、お祈りしております。

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100歳を目前にした祖母が言うには…

拝啓

桜の花が咲き始める季節になりました。先日はお手紙をいただき、ありがとうございました。4月からは新天地で暮らされるとのこと、寂しく思う反面、その中でいろいろな体験ができるのではという期待に似た想いもあり、まずは心からのエールを贈りたいと思います。

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お手紙の中で、ご自分の思うような進路がとれずに葛藤したこと、決して望んだ未来に進むわけではないということを書かれていましたね。努力が実らず、やりきれない思いをされたことも知りました。時勢とはいえ、悔しい気持ちでいっぱいだったことと思います。そのことに関しては、かける言葉も見つかりません。

ただ「これで自分の未来は決まった」という一言には、疑問が残ります。私の粗末な人生経験においても、ひとつのライフイベントくらいで決まるほど、人生は単純ではないことをいくつも見聞きし、経験してきました。

先日もお子さまの進路に悩まれるお母様にその話をしたところで、受験や就職など、そのときはうまくいったかに思えても、そうではないことが、多々あります。現に偏差値はその後の人生を保証しませんし、一流企業に就職しても、社会の不条理に絶望し、自ら命を絶つ方もいらっしゃいます。

私の祖母が戦争時代の悲惨な状況をくぐり抜けた体験から、いつも言う言葉があります。「人生には裏表がある。表が出ても油断するな、裏が出ても悲観するな」もし今が裏ならば、いつか表の面が出る日が来る…。100歳を目前にした人が言うのだから、あながち間違いではないかもと思う毎日です。

まだまだ書きたいことはありますが、一旦、筆を置きます。桜の花が散る頃に、またお便りしますね。季節柄、十分、ご自愛ください。 敬具

 

大きくなったね

今日は久しぶりに年長の子どもたちと、給食を食べました。

入園した直後、慣れない幼稚園で家庭の味付けとは異なる給食に四苦八苦していた子や、あれイヤ、これキライと涙目になる子もたくさんいました。「ひと口、がんばろう」と見えないくらいに切り分け、口に運んで食べさせていたことが、昨日のことのように思い出されます。

でも…みんな大きく成長しました。もう半月経ったら、いよいよ卒園の時を迎えます。

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決して平穏ではない海路への船出ですが、前を向いて進む子どもたちに、心からエールを送りたいと思います。

 

 

とある国家試験

うつ病患者への対応で、不適切なものを選びなさい(とある国家試験の改編より)。

①休息を勧める。

②励ましの言葉は避ける。

③医師に処方された薬の服薬について、説明する。

④重要なことは、迅速に決めることができるように、必要な助言をする。

⑤普段より口数が少なくても、無理に会話を引き出すことは控え、本人のペースを尊重する。

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解答④

うつ病まではいかなくても、心が疲れているときの「重要な決定」は禁忌です。逆に言えば、心の疲れが「ここから抜け出したい!」という焦りを生み出すのかもしれません。